ミステリーショッパーの仕事内容やコツは?

ミステリーショッパーの仕事内容やコツは?

今回はネットビジネスではなく、リアルな副業の実態を検証していきたいと思います。

ミステリーショッパーとは

ミステリーショッパーとは、一般客に紛れて対象となる店を利用し、店側に気づかれないように注意しながらサービスや接客態度、店の様子などについて実態調査を行う覆面調査員のことです。

主な依頼主は店を運営する企業で、顧客目線での評価を知り、業務改善に役立てることを目的として行われます。

ミステリーショッパーについて

調査を受ける店側は、 いつ、どのような調査員が訪れるかを把握できないため、一般客に提供される普段通りのサービス内容や質が評価されることになります。

調査員(ミステリーショッパー)は専門の調査会社に登録し、仕事の依頼が来るのを待ちます。

企業などから依頼を受けた調査会社は、調査員を手配し、調査員が提出した調査結果のレポートを踏まえて報告書を作成、依頼主の企業に報告します。

調査員は、一般の人がミステリーショッパーの募集に応募してアルバイトとして行うこともあれば、調査会社に所属する業種別の専門コンサルタントが行うこともあります。

ミステリーショッピングを導入している業種

全国で店舗をチェーン展開している企業の多くがミステリーショッピングを導入し、業務改善に役立てています。

例えば、飲食店やアパレルショップ、美容サロンなどはサービスを導入している業界として知られています。

また、ネットショッピングをして商品の評価を行う「ショッピングモニター」、客を装ってコールセンターなどに電話をかけて対応を評価する「ミステリーコール」、ほかにはセミナーなどに参加して内容を評価する仕事もあります。

報酬の相場

単発での仕事も可能で、1回の報酬は1000〜6000円ほどが相場です。

ただし、店舗を利用する際にかかる飲食代やサービス利用料、交通費などは自己負担が原則です。

報酬とは別に後から経費が支給される場合も一部ありますが、金額は調査会社や案件によって異なります。

ミシュランガイド

ミステリーショッピングといえば、『ミシュランガイド』が有名です。

『ミシュランガイド』とは、フランスのタイヤメーカー・ミシュラン社が出版するレストランやホテルなどの格付けガイドブックです。

「三つ星」などの評価を聞いたことがある人もいるでしょう。

『ミシュランガイド』はミシュラン社の社員が素性を隠して調査を行うことで有名です。

このように、企業や店舗経営者の依頼ではなく、第三者がサービスの比較や格付けを目的として独自に調査を行うこともあります。

ミステリーショッパーの仕事内容

ミステリーショッパーの仕事の流れや具体的な調査内容についてご説明します。

アルバイトを始める際の参考にしてください。

ミステリーショッパーの始め方〜仕事までの流れ

①募集を探す

ミステリーショッパーの仕事をしたいと思ったら、インターネットから探すことができます。

求人サイトに「ミステリーショッパー」「覆面調査」などのキーワードを入力して検索するか、Googleなどの検索エンジンを利用してミステリーショッパーの専門のサイトを探して会員登録し、自分が希望する調査案件に応募します。

人気の案件で応募者多数の場合は、抽選になる場合もあります。

②調査依頼が来る

調査依頼が来たら調査内容をチェックし、指定されている期間の中から調査実施日を自分で決めます。

事前に研修を受ける場合もありますが、研修がない場合は、調査項目をよく確認した上で、指示されたマニュアルに沿って調査を行います。

③調査当日

調査実施日を迎えたら対象の店舗に赴き、調査員であることを悟られないように一般客を装って入店します。

サービスを受けながら事前に決められた調査項目をチェックし、レシートを受け取って退店します。

その後は調査レポートを作成して調査会社に提出、レポートの内容に問題がなければ報酬を獲得できます。

④調査後のレポート提出

レポートの提出方法や報酬の受け取り方法は各調査会社によって異なります。

報酬の金額はあらかじめ設定されていて、自分が支払った代金とほぼ同額のケースや、代金より多いケース、代金よりやや少ないケース、交通費が支給されるケースなど、調査会社や案件によってさまざまです。

調査内容

調査は入店と同時に始まり、チェック項目は多岐にわたります。

飲食店の場合

飲食店の場合、入店時のスタッフの対応から接客態度、料理の提供スピードや味、カトラリーの清潔さや店内のトイレの様子など、ただ食事をするだけではなく店内の様子をよく観察しないとレポートを提出するのに十分な情報を得ることはできません。

販売店の場合

販売店の場合も、商品の陳列状況、店員に話しかけた際の対応、商品のおすすめの仕方、店員の服装や身だしなみ、レジ対応などを細かくチェックします。

調査の項目数は50~150項目くらいに上るときもありますが、あからさまにメモを取るのは店員に調査員であることがばれてしまうため、禁止です。

調査項目のチェックシートやマニュアルも、店舗側に見られてはいけないため、あらかじめしっかりと記憶しておき、当日は一般客のように自然体でサービスを受ける必要があります。

ミステリーショッパーのメリット・デメリット

ミステリーショッパーの仕事の多くに共通するメリット・デメリットについてお伝えします。

メリット

①良いお店の情報に詳しくなる

ミステリーショッパーになると、自分では金銭的、または雰囲気的にまず行かないような店にも行くことになります。

その結果、当たりの店を見つけて「こんな良いお店があったのか」「今度、友達や家族と来てみよう」と思うこともあるでしょう。

ミステリーショッパーとして来店した後、すっかり常連客になったという話もよくあります。

ミステリーショッパーのバイトを何度も経験すれば、それだけ良いお店の情報に詳しくなる機会も増えるということです。

②サービスをほぼ無料で受けられる

ミステリーショッパーの仕事は「稼ぐ」「儲ける」というよりも「賢く節約する」というイメージが近いかもしれません。

例えば、代金が5000円で報酬が5500円なら、普段はほとんど行かない店のサービスを無料で受けられる上、さらに500円の報酬を得られるというわけです。

飲食店の調査をして食費が浮く、美容室の調査でカット代が割安になる、ガソリンスタンドの調査でガソリン代が無料になるなど、ちょっとした費用が節約できる点は魅力です。

③スキマ時間を活用できる

単発で仕事ができる上、資格などを持っていなくても始められるため、スキマ時間を活用しやすい点もメリットです。

子育てと仕事を両立したい主婦や、本業のスケジュールが不定期な人でも、自分の好きな日時を指定して調査できるため、無理なく仕事を受けられます。

バイトやパートとしてもぴったりでしょう。

デメリット

①レポートの調査項目が多い

提出するレポートには記入する項目が多く、しっかりした内容に仕上げるためにはマニュアルに目を通して、調査項目を覚えておくなどの下準備も必要です。

特に、報酬が高額な案件ほど、調査項目が多くレポートの難易度も高くなる傾向があります。サービスを受けている間も気が抜けません。

また、レポートに不備があったり「実際には店員に話しかけていないのに、話しかけたように記載した」「注文していない商品を、さも注文したように記載した」などの虚偽記載があると、自己負担で再調査を求められる場合もあります。

②仕事をするときは実費精算

調査費用や報酬は前払いではありません。

かかった代金は実費精算です。報酬が支払われるまでに、レポートの提出などを挟んで1~2カ月かかることもあるため、全額負担される場合でも代金回収までには時間がかかります。

また、調査に行く際の交通費も原則として報酬内に含まれます。

飲食代や商品購入代、交通費などを差し引くと、報酬をもらってもほとんど残らないケースもあります。

報酬やサービスと引き換えに負担することになる金額を計算して、自分にとってプラスになる案件かどうかを見極めてから仕事をするかどうかの判断をしたほうが良いでしょう。

③仕事量が不安定

ミステリーショッパーの募集自体は多いのですが、条件や報酬額の良い案件は応募者も多く、申し込んでも抽選に漏れることがあります。

自由に申し込めるのはメリットですが、安定した仕事を得たい人にとってはデメリットにもなります。

登録制の調査会社で継続的に仕事をする場合は、毎回のレポートをしっかり仕上げて、調査会社からの評価を上げ、信頼関係を築くことが大事です。

ミステリーショッパーのコツ

ミステリーショッパーとして仕事をする際の注意点や、質の高いレポートを仕上げるためのコツについてお伝えします。

メモはスマホに取る

詳細なレポートを書くために、調査中にメモを取りたいと感じることがあるでしょう。

しかし、調査項目の記載されたアンケート用紙や紙にメモを取る姿を店員に見られてしまうと、ミステリーショッパーであることがばれてしまいます。

とはいえ、メモを取らないと、スタッフの氏名やメニュー数、オーダーしてから料理が提供されるまでの所要時間など、頭の中だけで記憶しておくのが難しい項目もあります。

そんなときは、スマホを活用するのがおすすめです。

飲食店でも販売店でも、スマホを触っている人はほかにもたくさんいるので、店員に怪しまれる心配は少ないでしょう。

スマホのメモ機能やメールの下書き機能を使ってメモしたり、調査項目もスマホですぐ見られるようにしておくと便利です。

店を出たら、早めに下書きする

しっかり見ていたつもりでも、時間とともに記憶は薄れてしまいます。

調査シートのコピーを持参し、店を出たら早めに下書きをしておくと良いでしょう。

特に、1日に2カ所の比較調査をする場合など、記憶が混同されてわからなくなってしまうことがあるので注意が必要です。

良質なレポートを作成する

「美味しかった」「感じがよいサービスだった」など、実際にサービスを受けていなくても書けるようなレポートでは、質が高いとはいえません。

また、揚げ足を取るような批評ではなく、お店を良くするための改善提案をするつもりで作成しましょう。

文章で記入する欄には、良かった点、改善点などをなるべく具体的に詳しく記載することがポイントです。

ミステリーショッパーになって、いろいろなサービスを

ミステリーショッパーのお仕事は、飲食店での食事やショッピング、エステなど、さまざまな依頼の中から自分の好きな案件を選び、自由なスケジュールでちょっとした空き時間にできる点が魅力です。

調査前の下調べやレポート作成は丁寧にきっちりこなすことが求められ、サービスを受ける際にも観察力や注意力が必要ですが、もともとお店めぐりや口コミ投稿などが好きな人にはもってこいのバイトです。

「稼げるバイト」というよりは「楽しみながら無料でサービスを受けられてお得!」という感覚で臨むと良いでしょう。

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